弁護士の就職活動をしていると、都会の事務所の情報はインターネットで見つけることが容易ですが、地方の事務所の情報を見つけることが難しいと感じます。
そこで、地方都市で弁護士として働く魅力について、お伝えしていきたいと思います。
1 地方都市での生活は、都市部とそれほど大きく変わらないこと
都市部以外地域は、大雑把に区分すると、農家や山林が大部分の面積を占める田舎と、地方都市の2つに分かれます。
この2つは、特性が全く違うので、分けて考えておく必要があります。
都市部以外において法律事務所を開設している弁護士の大多数は、地方都市で活動しています。
そのため、都市部以外で活動している弁護士は、基本的に地方都市で生活しているといっても過言ではありません。
地方都市であれば、コンビニエンスストアや、チェーンの飲食店も多数出店しており、生活に必要なインフラは整っています。
また、TSUTAYAやGEOなどのレンタルショップも出店していることが多いため、この点は、都市部と遜色がないといっていいでしょう。
また、地方都市では、いわゆる田舎のようなご近所付き合いもありませんので、地域生活においてストレスを受けるということもありません。
そのため、地方都市で生活するにあたっては、都市部と大きく変わらない生活を送ることができます。
もちろん、都市部にしかない最新の流行スポットなどはないため、最先端の流行による刺激は少ないかもしれません。
以上から、地方都市での生活は、都市部とそれほど大きく変わらないといえるでしょう。
なお、地方都市で生活していたとしても、東京などの都市部へのアクセスがよいので、普段は地方都市で仕事をしつつ、休みの日は東京に遊びに行くといった生活を送ることも十分可能だと思います。
2 様々な案件を経験することができる
都市部の法律事務所では、事務所ごとに専門分野に特化している傾向があるため、事務所が注力している分野以外の事件を経験することがなかなか難しいのではないかと思います。
他方、地方都市の法律事務所では、専門分野に特化している事務所はほとんどないため、多様な案件の相談を受けやすい傾向があります。
弊所で現在扱っている案件としても、離婚、相続、借金、交通事故、刑事、企業法務、その他の一般民事など様々な事件があります。
そのため、いわゆるマチ弁で取り扱うと考えられている案件は、地方都市の事務所においても経験することができ、弁護士としての能力を高めやすい環境にあるといえるでしょう。
3 ワークライフバランスを実現しやすい
地方都市の法律事務所の場合、都市部の法律事務所と比べ、事務所間での競争は緩やかです。
競争が激しい都市部で弁護士として活動していくのであれば、事務所の賃料など固定経費が比較的高額であるため、営業活動等にも時間を割きつつ、通常の業務を行わなければなりませんし、弁護士として生き残っていくためには、長時間労働をしていく必要も出てくるでしょう。
他方、地方都市では、営業活動等に割く時間を、都市部に比べて削ることができるので、長時間労働をする必要のある事務所は、比較的少ないように思います。
当事務所では、弁護士のワークライフバランスを実現することを事務所の共通認識として持っているため、午後7時頃には全員が退勤していることもよくあります。
そのため、都市部の法律事務所に比べて、地方都市の法律事務所の方が、勤務時間が短い傾向にあり、ワークライフバランスを実現しやすいといえるでしょう。
4 満員電車での通勤がない
私は、東京で働いていた期間があるのですが、通勤のときはいつも満員電車でした。
満員電車での通勤は、それだけで体力も気力も消耗しますし、それだけでストレスになっていました。
また、朝の混雑時には、電車が遅延することもよくあるので、これを踏まえて行動しなければならないことも、ストレスになっていました。
地方都市で暮らす場合、車社会なので、車と免許は必須にはなりますが、満員電車や電車遅延のストレスからは解放されます。
青森県の場合、事務所から徒歩圏内の賃貸物件を探すことも難しくなく、通勤時のストレスは皆無といっていいでしょう。
5 生活コストが安い
地方都市では、都市部に比べて賃貸物件の賃料が安く、また、都市部に比べ、地方都市の方が、物価も安いように思います。
そのため、地方都市の方が生活コストを安く抑えられ、ゆとりのある生活をすることができるといえるでしょう。
7 まとめ
以上のとおり、地方都市でも有意義な弁護士生活を送ることができますし、都市部にはないメリットも、多くあるかと思います。
キャリア選択において、地方都市で弁護士として働くことも選択肢に加えていただけると幸いです。
(弁護士・畠山賢次)
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